みなさんは、精油が植物のどの部分から、どのぐらいの量を使って、どのようにして作られているかご存知ですか?
芳香物質は植物全体にまんべんなく含まれているわけではなく、
それぞれの植物で多く含まれている部分が異なります。
そのため抽出部位も、
ラベンダーでは花と葉、
オレンジは皮の部分、
サンダルウッドは幹の中心部
といったように様々。
中には根や種、樹脂など、ちょっとビックリな部分まで。
また、産地や生産条件などにより異なりますが、
精油1kgを得るためには、
ラベンダーでは花穂を100~200kg、
ローズでは花を3~5トンも必要とします。
抽出方法もいくつかあり、
その精油成分の特徴(例えば熱に対する強さ、水に溶けやすいかどうかなど)を
考慮して、最も適した方法が選ばれます。
ここでは、現在おもに行われている方法3つをご紹介します。
【水蒸気蒸留法】
原料となる植物を水蒸気で熱し精油を抽出する方法です。
熱されて気体となった芳香成分を含む水蒸気を冷やして液体に。
この液体の上に浮かんでいる部分を精油として取り出します。
この方法は最も一般的で、ほとんどの植物に利用されています。
【圧搾法】
オレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の果物の皮を搾って、
香りを抽出する方法です。
熱が加えられていないので、フレッシュな香りがそのまま楽しめます。
【有機溶剤抽出法】
植物の中の芳香成分を溶剤で溶かしだす方法です。
ジャスミンやローズなどの繊細な花の香りを得るときや、
ベンゾインの樹脂などから抽出する際に用いられます。
植物によっては、複数の方法を利用する場合もありますが、
抽出される成分の構成が異なるため、精油の香りの印象や働きの特徴も異なります。
精油をご使用の際は、植物からの恵に感謝しつつ、
どの部分から(抽出部位)、どのようにして(抽出方法)作られているかにも
注目してみると、おもしろいですよ。